アートプロジェクト
手に取る宇宙のはじまり
©松井紫朗
宇宙は私たちのいる地球の周りにあって、
空の彼方に何百何千光年と広がっています。
星空を見上げていたある日、ぽっかりと空に穴が開いて、
宇宙が私に向かってしっぽのようにするするとのびてきました。手をのばし引っ張ると、
しっぽの先はちぎれて私の手元に残りました。それをしばらく見つめていると・・・
丸い地球の上に立ち、手の中で宇宙をのぞき込んでいる私自身の姿が見えたのです。
当然こんなことは起こりえない、アーティストの想像世界のおはなしです。
そこで私は、宇宙飛行士にお願いすることにしました。
宇宙のかけらをつかまえて、地球に持ち帰ってもらえないでしょうかと。
2010年9月、そしてこれが本当に起きたのです。
プロジェクト責任者
松井紫朗
松井紫朗 Shiro Matsui
1960 年奈良県天理市生まれ。
京都市立芸術大学教授。
Professor at Kyoto City University of Arts.
1983年の初個展以来、多様な素材、
ユーモアと理知を備えた独自の立体造形で、
1985年には兵庫県立近代美術館の「ART NOW 85」展に
選出されるなど、関西ニューウェーヴを担う若手の
ひとりとして注目を集める。
1991年よりシリコンラバーを使った半立体、
立体作品の制作を開始、ドイツをはじめ海外でも
展覧会が開催される。
1997年よりテント用の素材を使ったトンネル状の
大作を発表、以後、スパンデックスやリップストップと
呼ばれるナイロン素材のバルーンを使った
サイトスペシフィックな作品を次々と展開。
自然科学の原理を応用した作品等で、人間の知覚や
空間認識に揺さぶりをかける。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同実験では
宇宙での庭作り(「宇宙庭」)や容器に詰めた宇宙空間の
持ち帰り(「Message in a Bottle」)を試みる。
2014年よりアートプロシェクト
「手に取る宇宙 地上ミッション」を各地で展開している。